タミフル使用注意報.jp

タミフルの異常行動事件

タミフルはインフルエンザの症状を押さえて早い段階での完治を目指すために非常に効果的な薬ですが、しかし薬である以上は副作用が存在しているということは考えなくてはなりません。体質にもよりますが吐き気や下痢などの胃腸系の副作用は比較的出やすいとされています。しかしタミフルという名前を聞いてそこから連想する副作用として最も大きいのは異常行動でしょう。日本では2007年にこのタミフルを服用した10代の子どもが自宅マンションから落下して死亡するという痛ましい事故が発生しました。またその他にも意味のわからない発言を繰り返す、突然笑い出す、興奮して窓を開けて外に飛び出そうとするなどの行動が報告されており、一時期はあたかもタミフルを子供が飲むと高確率で異常行動を引き起こすような内容での報道もされていました。ただ現実としてタミフルと異常行動に因果関係があるのかと言われると、少なくとも医学においては否定されています。さまざまな形で検証が重ねられましたがタミフルと異常行動に因果関係があるという結果は出ず、むしろ原因として考えるべきはインフルエンザの合併症である熱性せん妄ではないかという指摘がされました。熱性せん妄は高熱によって大脳の機能に異常が生じ、そこでさまざまな脳内物質がつくられて正常な判断を阻害するという症状がありますから、タミフルを服用しても熱が下がらなかった時に熱性せん妄が起き、その熱性せん妄の結果として異常行動が引き起こされているという理屈です。もちろんこれも可能性があると言うだけであり絶対にそうだと断言されたわけではありませんし、現在でも万が一のリスクを考え10代の子供に対しては処方を控えるべきだという判断が主流ですが、タミフル=異常行動を起こすというような考え方が正しいのかということについてはかなり怪しいと言えるでしょう。

タミフルで異常行動を起こすわけ

インフルエンザウイルス感染症はRNAウイルスの一種であるインフルエンザウイルスが鼻やのどなどの呼吸器に感染することで起こる感染症です。通常12月から3月あたりの寒い時期にこの感染症は流行しやすいです。なぜならインフルエンザウイルスが高温多湿の環境に弱いためです。インフルエンザウイルス感染症は1日から2日の潜伏期間を経て通常発症します。しかし場合によっては7日程度潜伏期間がある場合もあります。症状は高熱、寒気、節々の痛みなどが起こります。このようなインフルエンザ感染症に対してはノイラミニダーゼ阻害薬が使用されることが多いです。この薬はウイルスの構造中に含まれるノイラミニダーゼという酵素を阻害することによって、ウイルスの宿主細胞からの脱殻を阻害し、感染が拡大しないようにします。そのノイラミニダーゼ阻害薬の代表例がタミフルです。しかし近年タミフル服用中に高所からの飛び降りなどの異常行動の報告が多数あり、死亡例も出ました。特に10代で起こりやすいため、厚生労働省から10代のインフルエンザウイルス感染症患者に対してタミフルは原則使用しないよう通達がありました。ではなぜタミフルはこのような異常行動を引き起こすのでしょうか。異常行動の事故以来多くの研究が行われましたが、未だにタミフルと異常行動の因果関係は明らかになっていません。それどころか、インフルエンザウイルス感染症で薬を何も使用しなかった症例においても異常行動が報告されています。つまり薬のせいではなくインフルエンザウイルス感染症の影響ではないかという説が有力となっています。しかしタミフルは中枢組織に分布することは報告されているため、薬が原因となって起こっているのであれば、薬が脳組織に移行して、悪影響を及ぼしているのではないかと考えられます。

タミフルで異常行動を起こすのは子供だけ?

タミフルはインフルエンザ治療薬の代表的な薬です。インフルエンザ治療には主にタミフルをはじめとしたノイラミニダーゼ阻害薬が使用されます。ノイラミニダーゼ阻害薬にはタミフルの他にリレンザ、イナビル、ラピアクタの3種類が存在します。リレンザ、イナビルは吸入薬、ラピアクタは点滴薬ですが、タミフルは内服薬で、投与が容易な手段であるため、タミフルは最も多く使用されていました。しかしタミフル内服中の異常行動が多くの患者でみられました。特に10代の異常行動が多くみられたため、厚生労働省では警告が出され、10代のインフルエンザ感染症の患者に対してタミフルの使用を控えるように指示がありました。この異常行動に関してですが、子供に対して警告が行われていますが、子供にしかこの異常行動は起こらないのでしょうか。これに関してここからは解説します。結論から申し上げると、異常行動は成人でも起こることはあります。実際に異常行動を起こした例が報告されています。ただ子供の方が異常行動が起こりやすいのは事実のようです。というのも子供は脳組織が未発達であるため、こういった影響を脳が受けやすいためと考えられます。またなぜ10代において重大な事故が起こるかというと、10代になると肉体的にも発達していくため、大人の静止を振り切ってしまうことがあるのです。ただ異常行動はタミフル使用中にのみ起こるわけではありません。他のノイラミニダーゼ阻害薬を使用している場合においても異常行動の報告はあります。それどころかノイラミニダーゼ阻害薬と異常行動との因果関係すら未だに解明されていません。とにかくインフルエンザ感染症治療薬を使用する場合には熱が出ている間は異常行動が起こらないか周りの方が目を離さないようにしましょう。